目指すのは「unique」な音。 大切なのは、日常。                                               
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タグ:生きる ( 7 ) タグの人気記事

何だか寝つけない夜だった。
そうかと云って、寝苦しいわけでもなくて。

水面の波紋のように、静かに揺れ広がるような感じ。
そのような心の揺れを感じた。

静かな朝を迎えて、このまま一日を始めようとした頃
親友から連絡が届いた。

「Aさんが、○時○分に永眠されたよ。」
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生きることは困難でもあること
でも諦めないこと
さまざまな恐怖と苦悩
人に対する温かい言葉
明るさ
可愛らしさ
患者ではなく、本来の姿を知る大切さ
生きることは強く儚いこと

彼女から感じたこと教えられたことが、廻 (めぐ) った。

「Aさん、ありがとうございました。」
「また、会おうね。」

光が差す静かな朝、夜明けの波紋が鎮静した。
旅立ったひと雫の命に、水鏡のように祈った。

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by black-dolphin | 2012-10-07 06:59 | 和の話

生きていることって、糸のようだと感じた。

先日、四十九日で久しぶりに般若心経を耳にした。
昔からお世話になっている僧侶さまで、私は眼を閉じて傾けた。

叔父を思い出そうとか、感傷に浸ろうとか気持ちはなく
眼前の世界から、ただ自分が離れたかった。

般若心経は、昔からとても耳慣れていた。
それを唱える声も、意味も、知ったものだった。

眼を閉じた世界で、心経だけが降ってくる。
それは宇宙のような世界で、ぽつんと居る感覚になる。

意味なんてそこには無いはずなのに、数珠を握った手にぽろぽろ落ちた。


叔父がこの世から、突然居なくなった。
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私には、それだけで十分な衝撃だ。
でもそれだけでは済ませてくれない処からして、彼の死は重い。

叔父の最期は、私がいつも看取ってきた“いのち”とは違っていた。

糸が突然、他の力でぷつんと切られた。
無意識で手繰り寄せたものか、はたまた他人の懸命な努力なのか
彼は、“生命”を 辛うじてつなぎとめた。

機械の力で、呼吸だけしている時期があった。
彼は今、この世にいるのかあの世にいるのか、私は頭を抱えた。
知識と感情が交錯しまくった。
眼の前にいる彼に声を掛けることに、考えた。
予想するリミットで、彼の呼吸は停止し心拍動も止まった。
死因が不明だと、解剖に連れて行かれた。
そこは、以前学生の時に見学に行った解剖室だった。
帰ってきた彼の体中に、想像通りの傷跡が残った。
葬式で最期の言葉をと云われ、何にも声が出なかった。
誰かが頭を撫でると、ずるりと皮が動いた。
骨になった姿の方が、逆に胸が苦しくなった。

いのちを絶たれること
救命
脳死
生命維持
呼吸すること
心拍があること
意識


解剖
傷跡
家族、遺族
父の涙
もう二度と話せないこと
生きること
生きているということ

スーパーナチュラルなことだと思いたい。
これが、彼の人生だったんだと、心の底から納得したい。

でもそれは許されず、何かによって引き起こされた事態だ。

生物的なことが
叔父自身が
誰かが
時が

本当の事って何なのだろう。
知りたい衝動に駆られるけれど、それは空に消えてゆく。

感情や、会話や、思いや、時は、眼に見えないこと。
人の命は、そんな儚いつながりで、よこ糸のようにつながってゆく。

彼の死を通して、それをありありと見せつけられた。

彼の優しさ、思いやり、正義感、まっすぐなトコ。
それが死につながった。

彼の死を通して、彼の生きてきた証が見えた。

爺ちゃん婆ちゃん水子さまのお墓が、ピカピカだった。
誰も見ていないところで、きっと彼が通っていた。

独身男の部屋は、想像とはかけ離れて整頓されていた。
あぁそうだ、彼はきれい好きだった。

生きていた跡、全てが尊かった。

彼との会話や思い出は、山ほどある。
でもそれは私にとってのよこ糸で、不思議と涙は出ない。

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彼が通った道
生活した部屋
囲まれた山々
見上げた空

眼に見える全てが、尊く感じた。

その時
今まで解らなかった本当のことを、彼に教えられた気がした。

それは、たて糸のようだった。
私の身体のたて糸になった。

僧侶の心経が、彼からの教えにつながった。
見えない糸が、紡がれた気がした。
無意識の中で生まれた何かのせいで、ぽろぽろ溢れてきた。

はかりなき命に、胸がぎゅうぎゅう啼いている。
by black-dolphin | 2012-10-04 00:45 | 和の話

さよならの言葉

その日にみた夕焼けは、あの人みたいに静かに燃えていた。
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先週のこと―。

もうすぐこの世を旅立つであろう人に、私はこう云われた。

ありがとう 会えてよかった―
彼女はそう云った。
それは私にとって、彼女からのさよならの言葉になった。

穏やかに最期をむかえること―。
それだけが唯一の願いなのだと、彼女は云っていた。

その本当の姿を、私はまた教えられた。
by black-dolphin | 2011-06-19 23:49 | 和の話

同じ夜

出産に立ち会うことは、助産師にとってやはり特別な時間だ。

奇跡の生命を宿し、約10ヶ月間お腹の中で育む女性たち。
私にとってはそれだけでもう神秘的な存在で、でもそこに現実として居るのだ。

彼女と過ごしたあの日、私はもう一つ大切な時間を過ごしていた。
生きる姿を、違う側面で私に見せてくれた。

夜勤が始まって二時間くらい経った時、彼女は陣痛が始まり来院した。
初産で、世間一般では「高齢初産婦」さんだった。

私たち病棟助産師は、お産で来院される時に産婦さんと初めて会うことになる。
彼女とも例外なく、その時が始めての対面となった。

私はできる限り安心してもらえるよう、初めての会話に気持ちを集中させる。
二つの尊い命によくないことが起こっていないか、起こりそうにないかアセスメントする。
みつめて、耳を傾けて、触れて、感じて、もちろん胎児とも会話をする。

その姿を見て、その女性は何とも云えない表情をして一言。
今日が〇さんの担当で良かったです。
若いのに・・・助産師さんが、きっと天職なんですね。


出逢って数分後なのに、私の存在を受け入れてくれたことが嬉しかった。
こちらこそ、こんな若造に大切な命を預けてくれて感謝しますと答えた。

そうこうしている内に陣痛は強くなり、腰をさする私の手も自然と強くなる。
大きく膨らみ、硬くなったお腹に触れながら。

産婦さんは見えないゴールに不安を持ち、一緒に居て欲しい気持ちを表現する。
私にとっては少し見えるゴールに眼を凝らして、彼女にこっちだよと手を叩く。

他の病室からナースコールが鳴り、もう一人精一杯頑張る彼女の元へ向かう。

大きく膨らみ、硬くなったお腹に触れる。
さっきまで触れていたお腹を思い出し、既視感のような感覚を覚える。
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同じ日の、同じ時間、同じ場所で、それぞれの「生命といのち」を見た気がした。

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by black-dolphin | 2009-06-19 20:21 | 和の話

6月或る日

「先生、私このまま死んだりせぇへんやんな?」

忘れもしない、二年前のある日の夕方。
彼女は医師へ、そう訊ねたんだった。

病状は、すでに進行していた。
でも先生は、彼女にこう告げた。

「死なないために、これから一緒に頑張るや。」

彼女の闘病が、その時から始まった。

若い身体は癌の増殖力も強く、なかなか抗がん剤は効いてはくれなかった。
でも絶対に彼女は諦めず、使える薬がなくなるまで闘い続けた。
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「忙しいのに、ごめんな。いつもありがとう。」
彼女に何度、そう云われただろう。

どうしても譲らなかった屋上への散歩時間。
急変のリスクがある彼女には、とても危険な行為だった。
でも初めて一緒に昇った時、私は心の中でとても申し訳ない気分になった。

吹き抜ける風は、こんなにも心地がいいんだ。

「〇さんがここに来たい理由が、私やっと解かった気がするよ・・・。」
そう告げると、穏やかで優しい顔をして彼女は頷いた。
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余命という言葉は好きじゃない。
けれど彼女に残された時間は、もう日にち単位だった。

昨日の夜明け前。
私は彼女と二人っきりで、60分の間一緒に過ごした。

「痛い。お腹が痛い。胸が痛い。ここさすって欲しい・・・。」
「怖い。夜が来るのが怖い。寝るのも怖い。」
「しんどい。全部しんどい。どうしたらいいん・・・。」
「苦しい。お腹が苦しい。息が苦しい・・・・。」

「一人になるのが怖い。ごめんな、忙しいのに。」
「空気吸いたい、空気が吸いたい・・・・。」
「さすってもらうと、ホンマに安心する。」
「ありがとう、ありがとう。」
彼女は何度もそう呟いた。
私の白衣をぎゅっと握り締めながら、すうっと短い眠りに落ちてゆく。

呼吸は規則的で、でも喉の奥でかすかに汽笛が鳴っていた。
意識が戻ると、よく見ればかすかに鼻翼呼吸が始まっていた。

5:21
TVのデジタル時計が一分づつ時を刻むのを、私はぼんやり眺めた。
大きく膨らんで硬くなったお腹を、何を願ったのか私はさすり続けた。

私のその手の動きは、強い陣痛を癒す手の動きと同じだった。

彼女の眠る姿を見て、何だか急に泣けてきた。

死に近づいている彼女を見て悲しくなった訳じゃない。
今日もこんなにも生きてるんだと実感した。

いつの間にか夜は過ぎ去って、窓の外からチュンチュンと啼く小鳥の声がした。

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by black-dolphin | 2009-06-15 22:02 | 和の話

どこいっちゃうの?

私は或る記事―お墓さま―にカウンターをうけました。

その記事は、「ねぇ、人は死んだらどこ行っちゃうの?」という、
幼いころの彼の素直な問いかけから始まります。

幼い彼の問いかけと大人になった彼の考えに、共感しました。
皆さんのコメントも拝見して、それぞれ考えてるんだなぁ凄いなぁ・・・・と
私は考え込んでしまいました。
そして残したコメントは、「・・・ねぇ・・・どうなっちゃうんでしょうねぇぇ・・・。」
何だか自分が情けなくなってしまいました。

無宗教の私にとって、言葉につまる問いかけ。
ずっと絡まった糸みたいに、放っておいた問いかけ。
率直で、重みのある問いかけ。

ずっと頭の中をぐるぐるして答えが出せない問いかけに、
幼い頃の彼にたずねられた気がしました。

今まで教えてもらったこと、学んだこと、感じたこと、想ったこと―
「人は死んだらどこいっちゃうの?」という問いに対して、
今想うことを忘れないように文章にしてみます。

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        この機会を与えてくださったasiaxさん、ありがとうございます。

自己分析な、長駄文は以下に・・・・・・。

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by black-dolphin | 2007-03-12 04:22 | 和の話

9.9

共働きの両親だった私にとって、祖父からいっぱい愛情をもらいました。

祖父とは、6年前にお別れしました。

祖父が亡くなる半年前に、大切な友人を亡くした私は
「生きるってなんだろう?」 と思いつめるくらい滅入ってしまいました。

そしてちょうど助産学生をしていた、この年。
友人とお別れした直後に、「おめでとうございます。」と笑顔で声を掛けながら
生まれたばかりの赤ちゃんを抱いたり。
祖父を荼毘に付した翌日に、600グラムに満たない赤ちゃんを目の当たりにしたり。
生命と向き合う日々、正直辛かったです。
もうできないな、辞めようかなとも思いました。

お爺ちゃん子だった落ち込むそんな私を見てなのか、
父はあるところに連れて行ってくれました。
静かな山沿いの、池には蓮が咲く小さなお寺でした。
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たまたま持っていたフィルムカメラでシャッターを押しました。
それは帰り際に、目に留まった「足跡」。
この足跡を見た時、何だか救われました。
「あぁ・・・次に会う時は雲の上で、ってこういうことかぁぁ。」

のちに知ったのですが、それは「仏足石(跡)」といって、礼拝の対象だそうです。
インドではお釈迦様が亡くなってから後も、数百年間仏像は作られず
仏様の足跡が、礼拝の対象とされました。

祖父や友人が、この世から居なくなってしまった。
その世界にまだ慣れないでいた私にとって、その足跡はまさにぴったりな対象でした。

この経験を通して、ふたつが相反する「生⇔死」 ではなく
「生まれることは、死ぬことに等しい」 んだと実感しました。
生という概念が死を含むことを知って、自然とか生きることの凄さを思い知りました。

私はこんなことを感じながら、助産師をしています。
助産師という職業はもしかしたら私にとって、天職というものかも知れません。

9.9は、爺ちゃんが生まれた日。
by black-dolphin | 2006-09-09 16:16 | 和の話