One Octave

目指すは「unique」な音色。大切なのは日常。                                               

8月15日、1時15分。

あの感触を、忘れていたつもりはなかった。
それは、いつもの風景だった。

私が、膝を地につけてしゃがみこむ。

初花が、少し離れたところでお座りする。

「ただいま。」と声をかける。

こちらをみて、笑っている。

手を大きく広げると、初花が駆け寄ってくる。

私の身体を、器用によじ登ってくる。

そしてぎゅっと、ハグをする。

初花が、愛おしそうに鼻と喉を鳴らす。

初花とハグする感触を、忘れていたつもりはなかった。
でもさっき、「あぁぁぁぁ。忘れそうになっていたんだ。」と思い知らされた。

その時初花のことは考えず、ただただ眠った瞬間。

忘れないようにと、初花が夢に現れた。

時計の針は、1:15を指す。
秒針は、刻々と進んでゆく。

初花が全てをドンっっと預けてくる、あの感触。
私の内に、絶対的に刻み込まれた。

たった数秒の夢は、きっと初花の仕業だ。
そう私は感じる。
8月15日、1時15分。_b0088089_1235892.jpg

by black-dolphin | 2010-08-15 01:30 | ウイカ帳

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